進化した栄養学の新しい成果

“フィトトケミカル”とは、ギリシャ語で「植物」を意味する「phyto」と「化学」を意味する英語の「chemical」をあわせた言葉で、日本語に直すと「植物由来の化合物」となります。かつては栄養にならない人体に不要な物質と考えられていましたが、近年の研究から、人体にさまざまな効果があることがわかってきました。活性酸素や紫外線による悪影響の排除をすることで、ガン、心疾患、脳血管疾患の3大生活習慣病その他の病気を予防するだけでなく、肌や臓器などといったカラダの老化も予防してくれます。また、体内に蓄積された重金属などの有害物質を排出・分解するデトックス作用があるほか、免疫力の向上などにも効果を発揮し、健康・美容の維持におおいに影響しています。
“フィトケミカル”には、赤ワインで有名なポリフェノールのほか、トマトの赤色成分であるリコペン、大豆のイソフラボン、緑茶のカテキン、カロテンに代表されるカロテノイドなどがあり、その数は1万種類にもおよびます。

“フィトケミカル”が現代人に不足しているわけ

「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21、2000年、厚労省)」では、1日350gの野菜摂取が推奨されているのに対して、国民健康・栄養調査(2003年、同省)によると、実際の摂取量は20代~70代すべての年代において推奨値を下回り(全年代平均:277.5g)、野菜不足が私たちの健康維持に与える影響が懸念されています。それに加え、「日本食品標準成分表五訂版(2000年、日本政府)」によると、四訂版(1982年)に比べ、野菜に含まれる栄養分の量が減っていることが明らかになっています。これは、旬を無視して一年中収穫できるようにしている栽培体制や、完熟する前に収穫してしまう流通の都合などが原因とされています。野菜や果物に含まれている“ファイトケミカル”は、もともとあまり口にすることのない「皮と実の間」や「皮そのもの」、また料理の過程で捨ててしまう「アク」の中に多く存在しています。野菜不足と栄養価の低い野菜が増えている現状も考えれば、現代人が普段の食生活から十分な“ファイトケミカル”を確保することはとても難しいと考えられます。現代人の健康・美容維持に欠かせない“ファイトケミカル”を確実に摂取するためには、野菜不足の解消はもとより、サプリメントの有効活用がもっとも効果的な方法であるといえるでしょう。